企業の現金志向が高まる結果

今回のコロナで企業は設備投資より内部留保の姿勢を強めるだろう。リーマンショック後、突然の需要消滅で資金難に苦しんだ企業は、積極的な設備投資を避けて内部留保に努めてきた。「備えあれば憂いなし」というやつだ。

今回の武漢ウイルス(新型コロナ)で、企業はまたも需要急減にさらされた。トヨタや日産、JAL、ANAなど日本を代表するような大企業も、メガバンクに数千億円規模の融資枠を要請している。手元資金無しには経営が回らないからだ。

今まで積み上げた内部留保が役に立っているはずだが、それでもまだ足りない恐れがあるということである。企業はまたしても経済的災害に会ったのだ。必然的に今後も設備投資より内部留保に励むのは当然である。

設備投資は景気に大きく影響するから、企業の設備投資が進まないということは景気が停滞するということである。現在のパンデミックが収まっても消費がすぐに戻るわけではないし、またこのような経済的災害にいつ出会うかわからないから内部留保は高めておきたいし、余計に設備投資は進まない。

対GDP2%のインフレ率達成は夢のまた夢。それどころかデフレ基調に戻る可能性の方が高い。武漢ウイルスは現在の経済活動に大きなブレーキをかけた上に、将来の経済にも暗雲を投げかけている。

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