ケチくさい経済対策になった

昨日政府は非常事態宣言とともに経済対策も発表した。非常事態宣言は強制力が無いし、また田舎ではそれほど逼迫した状況でもないので、日常的には何の変化も無いと思う。今まで通り買い物等の外出もするし、友人が遊びに来たりすれば外食もする。非常事態宣言については特に何も感想は無い。

しかし経済対策はイマイチだ。総額100兆円を超える、割と思い切った額の対策だと思うが、なぜかケチくさく感じてしまう。それはひとえに個人給付の条件からきている。世帯当たり30万円の給付だが、変な条件のせいで実際に給付する世帯は1300万世帯程度だ。個人給付の総額はたった4兆円程度。

収入が減った世帯を助けるということについてはある程度効果があるだろうが、経済の落ち込みをカバーするという観点からは全く足らない。アベノミクスで緩やかなインフレに導くという予定だったはずだが、これでは確実にデフレに逆戻りしてしまう。

テレ東のWBSで安倍総理の発言を聞いて気になったのは、この条件付き30万円給付だと5月中に給付できるが、国民全員に10万円だと3ヶ月かかるということだ。申請したり審査したりするのが必要な条件付き給付より、何の審査も無く一律に配る方がずっと簡単なように思えるが、なぜ3ヶ月もかかるのだろう。そこが全くわからない。

一律10万円ならもっと世の中にお金が出回るから、経済的効果は大きくなるはずだ。リーマンショックのときに一律1万円程度を配って貯蓄にまわったから失敗だったというが、あれは額が少なすぎて失敗だったのだ。貯蓄にまわるも何も、1万円くらいじゃもらった気がしないし、いつの間にか無くなったというのが本当のところである。あの程度で消費を喚起することができるわけがない。

景気は気から」というように、気分やイメージはとても大切だ。ケチくさく感じるような経済対策では、景気の下支えになるとはとても思えない。GDP世界第3位といいながら、なぜこんなチマチマしたことしかいつもできないのだろうか。日本の経済回復は、またもや欧米諸国に大きく遅れを取ることになるだろう。

この程度の対策では、次回選挙で自民党が苦戦することになるのは必至である。逆に言えば野党は今が攻め時なのだが、それもあまり期待できそうもないのが残念なところ。今ならヒーローになれるかもしれないのに。

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