自動車のEV(電気自動車)化は意外と進まない

吉野氏がノーベル賞を受賞したことでリチウムイオン電池の話題が豊富であるが、最近日経新聞で面白い記事を読んだ。年間約9千万台生産される新車のうち、2030年頃にどれくらいがEV(電気自動車)に置き換わるかという見通しなのだが、各国のシンクタンクによると10%前後くらいでしかないのだ。これは思っていたよりずっと少ない。2020年代にはもっとEV化が進むと思っていたのに、今後10年経っても10%程度とは。

なぜなかなかEV化が進まないかというと、電池の限界なのだそうだ。現在のリチウムイオン電池でも、単位あたりのエネルギーはガソリンの20分の1程度らしい。物理的な限界があって、今後も蓄電量の驚異的な伸びは期待できない。テスラは十分な航続距離を確保しているが、小型の電池を6千個以上も積んでいて、電池部分の価格が300万円以上するそうである。

電池のコストが高い上に、もし一気にEV車が増えたら今度は発電所が足りなくなる。自動車のEV化はゆっくり進むしかないのである。

2030年頃にEVの新車が10%前後だということなら、EUで行うことになっている2040年以降のガソリン車全廃は到底無理である。中国はそれに気づいて、今まで外していたハイブリッド車をエコカーに含めることにした。

当面、エコカーの主力はハイブリッド車ということになりそうだ。

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