今上天皇と新天皇の覚悟

今の天皇陛下は天皇としての責任について、「私は、この運命を受け入れ、象徴としての望ましい在り方を常に求めています。したがって、皇位以外の人生や皇位にあっては享受できない自由は望んでいません」とおっしゃられていたそうだ。

またこれから天皇になられる皇太子殿下もまた、2年間の英オックスフォード大学留学からの帰途、ニューヨークで殿下を追いかけ回した記者から「かけがえのない自由を楽しまれておられる時間に邪魔をして申し訳ありません」と謝罪されたときに、「いいえ、自由は2年間オックスフォードで充分堪能しましたから」と答えられたそうだ。

「自由は望んでいない」、「自由は2年間充分堪能した」。自由を望んでいない今上天皇と、たった2年だけで自由を堪能したという言う新天皇。お二人の言葉には、天皇という責任ある立場を受け継ぎ、生涯責務を果たしていく覚悟が示されているのだ。

新天皇は弱冠25歳の若さで、もう今後自分には自由は無く、皇室として責任を全うしていく人生なのだという心構えを持っている。ともすれば易きに流れる私には、とうてい真似のできない生き方であり覚悟である。5月1日の御即位の日、私にできるのはこの日をお祝いすることだけだ。

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