モンタナの風に抱かれて

「明日に向って撃て!」「スティング」など二枚目俳優として一時代を築いたロバート・レッドフォードが監督をしている作品である。最近はサスペンスやアクション映画は疲れるようになって、この作品のようにしっとりとした落ち着いた作品が見たいと思うようになってきた。

グレース(スカーレット・ヨハンソン)は愛馬ピルグリムに乗り親友と散歩中に交通事故に会い、親友は亡くなり自身は片足を失った。事故のショックで人を寄せ付けなくなったピルグリムと、学校も拒否するようになったグレース。心配した母アニー(クリスティン・スコット・トーマス)は、ホース・ウィスパラーという馬を癒やす能力のあるカウボーイのトム(ロバート・レッドフォード)に頼み込み、グレース、ピルグリムと共にトムの元を訪れる。次第に回復するピルグリム、明るさを取り戻すグレース。その一方でアニーとトムは愛し合うようになっていく。

母親役のクリスティン・スコット・トーマスは、あまり日本人好みではないと思われるちょっときつめの顔立ちだが、どの作品でもいい味を出している。彼女が出ているなら見てみようかなと思わせる、確かな存在感があるのだ。この作品ではトムとアニーの関係が主軸だが、私が見た他の作品では脇を固めることが多いかも。

例によって、原題は「THE HORSE WHISPERER」と直截的でそっけなく、邦題は原題とはまったくかけ離れた情緒的な題名になっている。167分と長い作品で、後半は少々冗長。

ロバート・レッドフォード監督、サム・ニール、クリス・クーパー出演。1998年製作

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