五嶋みどりのパガニーニ/ヴァイオリン協奏曲第1番

五嶋みどりが演奏する「パガニーニ/ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調」を長年聴いている。とても好きな演奏なのだ。指揮はレナード・スラットキン、オケはロンドン交響楽団で、とても素晴らしい出来映えである。ただ驚くことに、五嶋みどりはこのときたったの15歳だったのだ。

レナード・スラットキンは一流の指揮者である。またロンドン交響楽団も一流のオーケストラである。五嶋みどりは弱冠15歳にして、彼らに伍して一歩も引かずに、それどころか圧倒するような堂々たる演奏を披露するのであるから恐れ入る。

本当にこれが15歳の演奏なのだろうか。15歳で難しいパガニーニをこんなに完璧に弾きこなせるのだろうか。しかも音が深く、音楽性も豊かなのである。成熟した30代、40代の演奏だと言われても納得してしまうくらいである。この演奏を聴いていると、天才は我々凡人の想像をはるかに超える存在なのだと思い知らされる。

このディスクが私にとってこれからもずっと愛聴盤であることは間違いのないことだ。

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