那須湯本温泉に行く/雲海閣、怪しげな通路、自炊、柏屋の蕎麦

先週の金曜日、太田市の友人Aから朝メールが来て、突如那須の温泉に行くことになった。前から行こうとは言われてはいたが、それにしても急な話だ。せめて前日の夜にでも連絡すればいいのに。朝起きたら天気が良かったので急に行きたくなったそうだ。年初に長年勤めた銀行を辞めてからヒマな様子である。1時に迎えに来るので、午前中に急いで使い切りのシャンプーなどを買いに行く。

小山から新4号で宇都宮に向かう。空がきれいだ。昼食を食べていないが、今から食べると夜に差し支えるので、モスで軽く済ます。10年ぶりくらいにモスバーガーを食べた。

宇都宮インターから東北道に乗る。那須まで30分くらい。那須のインターから温泉まで登る道は空いていて新緑が爽やかだ。

途中のセブン-イレブンに寄ってつまみなどを買う。今夜の宿は素泊まり専門で、食べ物や酒は持ち込み自由となっているのだ。

那須湯本の温泉街をちょっと奥に入った所に「雲海閣」はある。玄関のひさしがボロボロで、ちょっと大丈夫かなという雰囲気が漂う。玄関を入って右手にはビールやソフトドリンクの自販機とマンガの本棚があり、帳場は少し奥に入ったところ。もう硫黄くさい。

記帳を済まして部屋に案内されると、意外と広くて普通な感じである。縁側や床の間を入れると全部で12畳くらいか。テレビもちゃんと32インチ。浴衣、タオル、歯ブラシセットなどもある。ただ畳が少し波打っている模様。

壁にはちょっとボロい所も。

しかし驚くことに、外観に似合わずWi-Fiが完備しているのだ。念のためタブレットを持って行って良かった。窓からは那須の山の緑が見渡せて気持ちが良い。

部屋はまずまずなのだけど、ハトが異常にうるさくてずっと悩まされることになる。すぐ近くに巣でもあるのか、大きな声でずっと鳴いているのである。かなり暗くなるまで鳴いているし、また朝は明けるとすぐに鳴き始めて非常にうるさい。

一休みして風呂へ。帳場の脇のコンクリートの階段を降りると非常に怪しげな通路が現れる。映画だったら、この通路の先には間違いなく惨劇が待ち構えているはずだ。

奥からゾンビでも出てきそうな通路を恐る恐る抜けると、その先には数十段もの長い階段が。傾斜が急で、途中にちょっとした踊り場があるけど、ヘタにつまずいたら真っ逆さまに転がり落ちて命がないかもしれない。

長い階段を降りるとやっと風呂場が登場。源泉は有名な鹿の湯と同じということで白濁した硫黄泉である。浴槽は2つあって、ヌルいのと熱いのと。ヌルい方は私にはちょうど良くずっと浸かっていられるが、熱い方は全然入ることもできない。

ここで重大な事実が判明する。洗い場もシャワーも無いのである。お湯は浴槽のものしかない。せっかく朝急いでシャンプーを買ってきたのに。

ここまで降りてくる途中にもう1つ風呂場があって、こっちは透明なお湯である。ミョウバン泉とのこと。硫黄泉のヌルい方より少し熱め。こっちも洗い場は無い。

硫黄泉の方は先客が1人いたが、そのうち出て行ってその後は貸切状態。ミョウバン泉の方はずっと貸切状態。宿泊客が少ないのでこうなるのだ。この日は3組しかいなかったと思う。

風呂を上がったら飲む準備だ。厨房は自由に使ってよく、食器もたくさんある。今回は使わなかったが、氷も完備している。

我々はセブン-イレブンで買ってきた冷凍食品をチンするだけなので、使うのは電子レンジ。焼鳥、シューマイ、焼き肉など次々にチンして、枝豆を流水で戻す。

とりあえず数品用意して晩酌開始。つまみが足りなくなったら厨房に行って、冷蔵庫にしまってあるのをチンして持ってくるというシステムである。

料理がおいしい宿もいいが、どうしても2時間程度で終わりにしないといけないのが難である。飲んでいると2時間くらいはすぐで、そのうち周りの客は誰もいなくなってしまう。だから今回のような持ち込み自由、勝手に食べてくれというのは、のんびり飲むのになかなかいい。しかも実に安くあがる。つまみは1人分1000円くらいのものだし、宿泊費は4500円だ。酒はいつもの2リットル600円のもの。

ところで、ボロい宿だけどトイレだけは別世界。昨年あたり改修したらしい。きれいでウォッシュレットも完備している。

翌日はハトに起こされ、前日に買っておいたパンなど食べて出発。土産物を買ったりしてから、「柏屋」で蕎麦を食べる。南ヶ丘牧場の前の道をずっと南に向かうと、板室温泉の手前にぽつんとある店だ。

ここの蕎麦はおいしいので何度か来ている。十割だとブチブチと短くちぎれてしまう店も多いが、ここのは細打ちでちゃんと長くつながっているのだ。技術がある証拠である。

時間もあるし、帰りはのんびり下道で。家に帰ってきても硫黄臭いのでシャワーを浴びる。その後Tシャツなどは、何度か洗濯しても硫黄の臭いがとれない。日光湯元温泉のときと同じ状態だ。こうなると臭いがとれるまで数ヶ月かかることになる。

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