将棋の藤井聡太さんが7段になった仕組み

年初には4段だった棋士の藤井聡太さんが半年も経たないうちに7段になった。すごいものだ。こんな早い昇段は見たことがない。普通は早くても1年に1段ずつ上がっていくものなのだ。

将棋には順位戦というリーグ戦があって、上からA、B1、B2、C1、C2に分かれている。プロになると4段でC2リーグに入り、1年間戦って上位3名がC1に上がり5段となる。そういった繰り返しで、あるいは勝ち星が規定数に達して昇段するのがまあ普通である。

しかし昇段規定には他にもタイトル挑戦とかタイトル獲得とかがあって、6段の昇段規定は
・竜王戦2組昇級
・五段昇段後竜王ランキング戦連続2回昇級または通算3回優勝
・順位戦B級2組昇級
・五段昇段後タイトル挑戦
・五段昇段後全棋士参加棋戦優勝
・五段昇段後公式戦120勝
となっている。藤井さんはC2リーグでトップの成績をとり5段に昇段後、2週間ほどで「朝日杯将棋オープン戦」に優勝し、「五段昇段後全棋士参加棋戦優勝」の規定により6段になった。

7段の昇段規定は
・竜王挑戦
・竜王戦1組昇級
・六段昇段後竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝
・順位戦B級1組昇級
・タイトル1期獲得
・六段昇段後全棋士参加棋戦優勝
・六段昇段後公式戦150勝
であり、先ごろ竜王ランキング戦で昨年に続き昇級したので、「六段昇段後竜王ランキング戦連続昇級または通算3回優勝」という規定により7段になったのだ。

5段昇段後に棋戦優勝、6段昇段後に竜王ランキング戦連続昇級、という絶妙のタイミングも幸いして、あれよあれよという間に7段になってしまったのであるが、もとより実力が無ければ棋戦優勝も竜王ランキング戦連続昇級もできるはずもない。

本来は1年に1段ずつどころか、数年かかって1段上がるというのが普通であり、1〜2年で上がっていくのは本当のトップ棋士だけだ。そこを1年で3段も上がってしまったのだから、何をか言わんやである。

藤井7段は竜王ランキング戦をもう一つ勝つと本戦に出場できることになる。もし本戦でも勝ち進んで挑戦者になり、竜王位を獲得することになれば8段だ。8段というのはもう本当にトップということである。本戦は強豪揃いだし、そこまでうまくいくとは思えないが、本戦で5連勝すれば挑戦者なのだから、あながち無いとも言い切れない。3勝くらいすると、また世間が騒がしくなるかも。

8段の昇段規定
・竜王位1期獲得
・順位戦A級昇級
・七段昇段後公式戦190勝

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