ノーベル文学賞がカズオ・イシグロで驚いた

今年のノーベル文学賞は去年に引き続いて驚きの結果。日系イギリス人のカズオ・イシグロ氏が受賞した。カズオ・イシグロ氏は長崎市の生まれで、1982年にイギリスに帰化した。なぜ驚きの結果だったのかというと、カズオ・イシグロはもちろん作家なのだけど、私の中では映画の原作者という認識が大きかったからだ。

ジェームズ・アイボリー監督、アンソニ・ホプキンス、エマ・トンプソン主演の「日の名残り」はかなり好きな作品だ。またマーク・ロマネク監督、キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ主演の「わたしを離さないで」は、独特の設定の異色の作品なのだけど、妙に心に残る。

どちらの作品も主人公の心情が痛々しい。見ているこちらの心が痛む。そんな繊細な作風の作家であるとの認識はあった。しかしよもやノーベル文学賞を受賞するとは思いもよらなかったのである。

期待の村上春樹はまた受賞できなかったけど、代わりに日系のカズオ・イシグロが受賞したのは喜ばしいことだ。奇しくも今年は6月に「日の名残り」を見て(2回め)、8月に「わたしを離さないで」を見たばかり。あとでそれぞれの作品について記事を書いておこう。

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