養老孟司「バカの壁」を今頃読む

養老孟司「バカの壁」を買ってから10年以上放っておいたままにしていたが、先日ふと読んでみると非常に面白い。


「一般に情報は日々刻々変化し続け、それを受け止める人間の方は変化しない、と思われがち。情報は日替わりだが、自分は変わらないという考え方。しかしこれはあべこべで、人間は日々変化しているが、情報は変わらない。はるか昔の人の遺した言葉が、現代でも一言一句変わらぬまま残っていたりする。」とか、

「知るということは自分がガラッと変わることである。世界がまったく変わってしまう。見え方が変わってしまう。そえが昨日までとほとんど同じ世界でも。君子は豹変する。」や、

「安易に「絶対の真実がある」と思ってしまう姿勢、そこから一元論に落ちていく。一元論にはまれば、強固な壁の中に住むことになる。それは一見楽なことである。しかし向こう側のこと、自分とは違う立場のことは見えなくなる。当然、話は通じなくなるのである。」など、なるほどと思うことが多い。

やっぱりベストセラーになっただけのことはあるのだ。

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