ニア・ダーク/月夜の出来事

「ハート・ロッカー」で社会派監督として日本でも一躍有名になった、キャスリン・ビグロー監督のホラー?映画。?が付くのは、ジャンルとしてはホラー映画だけど、あまりホラーな感じがしないから。青春映画とかアクション映画とかの方が近いジャンルのような気がする。キャスリン・ビグロー監督が単独で監督した、デビュー作である。

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ケイリブ(エイドリアン・パスダー)は町でナンパしたメイ(ジェニー・ライト)に噛まれてヴァンパイアとなる。そして彼らの仲間とともに放浪することになるのだが、どうしても人を殺すことができない。でも血を吸わないことには死んでしまうから、メイが人から血を吸いメイから吸わせてもらう、ということを繰り返していた。しかしそんなことがいつまでも仲間内で認められるはずもなく、リーダー(ランス・ヘンリクセン)から人を殺して血を吸うことを激しく求められていた...。

終始一貫して倦怠感の漂う暗い映画だ。絶叫系でも不気味系でもない。吸血鬼にされたしまった男の悲哀と絶望とでもいうものが前面に押し出された、悩めるヴァンパイアという体の映画なのだ。仲間からは邪魔者扱いされながらも、メイからは愛されているところが青春映画チックでもある。

主演のジェニー・ライトは、私のお気に入りの「ハードカバー」(アヴォリアッツ映画祭グランプリ受賞)というホラー映画でも主演している。またニア・ダークもパリ国際ファンタスティック映画祭でグランプリと主演女優賞を受賞している。それからすると、彼女ももう少し活躍してもいいかなという気はする。

1987年製作、ビル・パクストン、ジャネット・ゴールドスタイン他、出演。

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