昨夜のアメリカ市場は最初下落で始まったものの、その後持ち直して上昇した。雇用統計の悪化を受けて下落したが、利上げが遠のくという観測から上昇に転じた模様である。私はこういう反応が数日かけてなされると思っていたのだが、一日で、しかも1時間もしないうちに実現してしまった。
利上げが遠のくという思惑から金の価格も大幅上昇。金は利息が付かないから、金利にダイレクトに反応する。金利が上がると金を持っているのは損であるが、金利が低いうちは保有の利点が勝る。
昨日の日経平均も最初は200円近く下落したが、終値は37円の下落で済んだ。そして本日は242円の上昇。日米ともに、雇用統計の悪化より利上げが遅くなるメリットの方に軍配が上がったわけである。
このように金利の設定は市場や経済に大きな影響を与えるから、FRBも慎重な姿勢にならざるを得ない。イエレン議長も利上げの時期についてはなかなか明言できないのだ。我々はFOMC後会見での表現の些細な変化から、今後の動向を読み取るしかない。