「自分にご褒美」というまやかし

「自分にご褒美」という言葉が嫌いである。
褒美というのは人からもらうもの。行動なり結果なりを評価された上でのことである。他人からの評価であるから意味があるのであって、自分で自分を評価するなんていうのは大間違いだ。大甘な評価、大甘な褒美になるに決っている。

「自分にご褒美」なんてのは要するに無駄遣いの言い訳にすぎない。それなら、買いたいから買ったという方が余程潔いと思う。欺瞞に満ちた言い回しはうさん臭く印象が悪い。

こんな気持ちの悪い言い方はいつから始まったのだろう。「ご褒美」という言い方から、おそらく男性ではなく女性が使い始めたのだろうが、いかにも取り繕った言い方だ。こんなことを言う奴はろくなもんじゃない。この言葉を聞く度にゾッとする。

言葉は時代とともに変わっていくものだ。もしこの言葉が定着するのなら、それは自分を取り繕う人間が増えたということだろう。そんなことにならないように、こんな薄っぺらい言葉は早く淘汰されて欲しいものである。

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