いつの間にか原油安

このところ原油価格が下落し続けている。100ドルを割ったなーと思っていたら、あれよあれよという間に80ドル割れまで来てしまった。2年半ぶりくらいの安値水準である。原油が安くなるのは企業収益に寄与するし、ガソリンも安くなるから一般消費者にとっても朗報だ。

しかし世界の景気を考えると喜んでばかりもいられない。原油がなぜ安くなったかというと、ヨーロッパや中国の景気の先行きが不安だからなのだ。景気が悪くなって、原油の需要が減るとの予測によって安くなっているわけである。

実際ヨーロッパはデフレ突入寸前だし、中国の成長率も低下している。さらに中国はバブル崩壊という爆弾も抱えているのだ。

イスラム国の問題など中近東には地政学的リスクがあって、原油価格が急騰するリスクもあるけれど、アメリカの好調だけでは世界の景気を浮揚させることはできず、原油価格は当面低い水準にとどまると思われる。

しかしせっかくの原油安も円安で帳消し。ガソリンや灯油は高いままだ。残念ながら原油安の恩恵はわずかしか受けられない。原油高よりはマシなのだけど。

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